6月のコラム (2024年06月01日)
〈チャプレンのコラム〉
わたしは、あなたにはなれない?
先日、映画『名探偵コナン100万ドルの五陵星(みちしるべ)』を観に行きました。推理が複雑で、難しくもありましたが、とても楽しませていただきました。映画の内容はもとより、そこで私がとても心に残ったのが、この映画の主題歌aikoの『相思相愛』という歌でした。その歌詞には、次のようにあります。
「あたしは、あなたにはなれない。」
この言葉一つだけでも、さまざまな意味に取れるのではないでしょうか。例えば、恋する二人が、お互い相手の気持ちを知りたいのだけれども、知ることのできないもどかしさから「わたしは、あなたにはなれない」と言っているのだろうか。あるいは、目の前で苦しんでいる人がいたとします。できることなら、私がその人の身になってあげたいのだけれども、それができないでいるという想いから、「わたしは、あなたにはなれない」と言っているのだろうかとも捉えることができます。
いずれにせよ、何か相手のことを大切に想う気持ちから、「わたしは、あなたにはなれない」と言っているように思えます。
聖書には、「自分自身を愛するように隣人(となりびと)を愛しなさい」という言葉があります。ここでは、「愛する」を「大切にする」に置き換えてみると分かりやすいかもしれません。自分自身を大切にするように、相手のことを大切にする。言い換えれば、自分の身になって、相手のことを考え、行動しようとすることの大切さがここで言われております。自分の身になって、相手のことを考え、行動しようする。その気持ちが、「わたしは、あなたにはなれない」という言葉に表われていくのではないでしょうか。
皆さんは、「わたしは、あなたにはなれない」という言葉をどのように考えますでしょうか? また、何かそのような体験はありますか?